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NHK、受信契約へ本腰 業者に訴訟、一般世帯には簡裁申し立て(産経新聞)

 NHKが、受信契約の締結促進に本腰を入れてきている。昨年からは、受信契約を拒否している業者を対象に訴訟にも乗り出した。未契約の世帯・事業所は1098万件にものぼっており、受信料を支払っている人との不公平感の解消が急務となっている。(三宅陽子)

 ■独自調査で

 NHKが埼玉県のホテル経営会社を相手取り、受信契約締結などを求める初めての訴訟に踏み切ったのは昨年6月のこと。今年4月15日にも、千葉県のホテル経営会社に対して同様の訴訟を起こした。

 いずれの訴訟も、ホテルの客室にテレビを設置しながら受信契約を拒否し続けたとして起こしたが、会社側が間もなく契約締結と受信料の支払いに応じたことから、訴えは取り下げられている。

 この提訴のほかの未契約者への波及効果については分からないとするものの、ニュースが流れた後にネットを通じて新規契約が増える傾向があったとNHKでは認める。「こちらの本気度は伝わったのではないか」と営業局受信料特別対策センターの嶋谷祐副部長は話す。

 今回の2件の訴訟は、ホテル側が作成していたパンフレットなどの資料で客室のテレビ受像機が確認でき、NHKの独自調査が実を結んだ形だ。嶋谷副部長は、一般世帯を対象にした訴訟も検討していると明かすが、普通の家庭に対し受信設備の有無を確認するのは難しい。「今はテレビのない家を探す方が大変」との立場で粘り強く説得に当たるとしているが、最近はパソコンや携帯電話でテレビ番組を視聴する世帯もあって、確認作業と交渉術はこれまで以上に複雑になっているという。

 ■不払い対策

 そもそもは元チーフプロデューサーによる制作費詐欺事件など、NHKの一連の不祥事で受信料不払いが相次いだことが始まり。平成17年度には支払い率が69・2%にまで下落し、受信料収入も6024億円に減少した。その後、上昇してはいるものの、21年度末では、受信契約対象総数4783万件(生活保護世帯などは除く)のうち、未収分(231万件)を除く契約件数は3454万件で、支払い率は72・2%にとどまる。

 NHKでは公平負担の確立に向け、18年11月には不払いを続ける33世帯の支払い督促を東京簡裁に申し立てた。これを皮切りに全国に広がり、3月末現在、簡裁への支払い督促の申し立ては、36都道府県で841件にのぼる。

 ■「最終手段」

 それでもなお支払い拒否を続ける者に対しては、最悪の場合、強制執行も可能となるが、これまでに強制執行に至ったケースはまだない。「法的措置はあくまで最終手段」というのがNHKの立場だ。

 NHKは経営計画で、受信料の支払い率を、平成23年度に75%、25年度に78%に引き上げる目標を掲げる。現在は学生や単身赴任世帯などを対象に受信料を半額に割り引くなど、視聴者のライフスタイルにあった弾力的な制度運用も進む。NHKには、信頼回復とともに、受信料獲得に向けたより一層の工夫が求められている。

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